ファンケル株主総会2024参加レポート
こんにちは、Sayaです。
ファンケルがキリンHDにTOBされることになり、このままいけば上場廃止になる予定となりました。
(TOBされる企業の株を保有していたら、原則売却することになります。)
一般投資家が参加できるファンケルの最後の株主総会。
せっかくなので、横浜アリーナでの大規模な株主総会に参加してきました😄
過去一番多かったであろう質問とその回答についてもざっくりまとめてあります。
今後のファンケルがどうなるか?などについて気になる方のご参考になれば幸いです✨
ファンケル事業内容等の説明
業績も好調でさまざまな新商品が登場
最初にキリンHDによる子会社化、TOBに関する言及があってから株主総会がスタート。
例年と同様、今期の業績の話や事業内容、新製品の紹介などがありました。
スライドで分かりやすく説明してもらって、招集通知に書いてあることではあるのですが、ファンケルの商品が改めて良いものなんだな、という印象を持ちました☺️
キリンHDとの資本業務提携によってのシナジー効果が出ているとのこと。
売上高は前期比7.0%、営業利益は前期比60.3%、経常利益は前期比51.2%、当期純利益は77.7%と業績の好調さが伺えました。
化粧品・栄養補助食品が売上を牽引してくれている模様。
「なにげない感動をずっと」という新たなファンケルブランドのスタンスメッセージの下、VISION2030の達成に向けて、海外事業にも積極的に投資していくそうです。
いよいよベトナムを皮切りに、タイやマレーシアなどのASEANにも進出していくのだとか。
今後のファンケルの事業展開も気になる事業内容などの紹介でした✨
総会Q&Aまとめ
ざっくりまとめてあるのでご参考までに
多分過去一番の参加者数&質問だったと思われる今回の質疑応答。
すべての詳細を書くのは難しいので、ざっくりとまとめてあります。
Q1.キリンHDの公開買付に申し込んで良いのか?子会社化によって(企業文化が違いそうだが)若手のモチベーション等は下がったりしないか?株主優待やお土産はどうなる?
A. キリンHDとのシナジー効果は出てきている。特にヘルスサイエンス事業は強化されている。化粧品や栄養補助食品は継続なので公開買付に応じてもらえれば。
若手にとってはキリンHDの子会社化になることでチャンスも。
TOBにより株主優待は廃止、お土産もキリンHDの仕様となる。
Q2. プレミアム価格より現在株価が高い。市場売却・TOBを受け入れる・株式交換いずれが良いのか?
A. 価格は検討を重ねて今のプレミアム価格に着地した。株価もTOB価格に近づき落ち着いてきている。いずれの方法でも問題なく、強制買取になる可能性があるが、その場合は株式に変えるわけではなく、現金化される。
Q3. 役員の候補者について、選出の方針とは?
A. 40年以上となる企業なので、叩き上げの役員が退職し、現体制に。そろそろ次の候補者をと育成にも力を入れている。委員会を組織し、役員候補者をしっかり育て、キリンHDの傘下になっても活躍してくれると思っている。
Q4. 役員のジェンダーバランスについて。役員の女性が若干少ないのでは?
A. 取締役の男女比は確かに14人中3人だけである。ただ執行役員をいれれば8人、部長職は30%以上、課長以上は48.5%、正社員の2/3は女性と他の企業に比べれば多いと思う。引き続き女性役員の登用などに力を入れていきたい。
Q5. 地元(横浜)での総会開催や雇用創出などしてきたが、今後地元との関わりはどうしていくつもりか?
A. キリンHDの完全子会社となってもファンケルは残る。キリンHDの方からもファンケルのままで異質なもの同士が合わさることでのイノベーションを期待されている。今後も神奈川や横浜といった地域社会への貢献は続けていく。神奈川SDGsといった神奈川県内で学校での出張授業なども続けていく予定です。
Q6. 持分会社で過半数の株式保有などではダメだったのか?キリンHDはブラジルでの失敗など海外展開を任せて大丈夫なのか?
A. キリンHDの経営資源をフル活用するためには子会社化がベストだと判断した。(キリンHDが買収したオーストラリアのサプリメント会社との連携も100%子会社化でないと難しい。)
Q7. サステナビリティについて。アテニア化粧品で秘密の質問に「母親の旧姓は?」とあるが、「親」とか「父親または母親」にするなど配慮が必要では?
A. 女性や身障者などさまざまな人が活躍できる環境を推進している。従業員などの人権なども配慮していく。ご指摘の部分は早急に対処したいと思う。
Q8. ファンケルの株主はファンケルのファンが多く、個人株主がいた方が良いのでは?100%子会社化で個人株主を失うのはデメリットでは?
A. 再度の説明になるが、経営資源を相互にフル活用するためには子会社化が最善と判断した。(ユーザーでもある)株主との交流の場である株主総会がなくなるのは社長としてもとても残念に思っている。
Q9. 直営店舗が地方では少ないのでは?100株保有だとプレミアム価格よりも高い価格で持っている場合もあるので、そこに優待品などの配慮はないか?
A. やはりコロナ禍によって買い物の動向が変わった向きがある。ただ直営店舗や直営オンラインショップを利用してもらった方が売上が高いデータがあるので、力を入れていきたい。
これまでご愛顧いただいた株主への還元という意味では、やはり株価だということで、(株価は軟調状態であったが)それなりのプレミアム価格にしたつもりである。
Q10. 銀座スクエアを横浜にも作ってほしい。(目のサプリである)えんきんの黒豆成分を戻してほしい。
A. 銀座スクエアでは試験的にいろんなものを実施している。これをブラッシュアップして全国に展開していきたいと思っている。えんきんもアイケア商品No.1ということで常に改良をしている。より良いものを提供できるよう力を尽くしていきたいと思っている。
Q11. 子会社化によって(キリンHDの主力事業ではない中)ファンケルの化粧品事業が縮小などしないか?シナジー効果をもう少し詳しく聞かせてほしい。
A. キリンHDからも健康と美容の2本柱をしっかりやってほしいと言われている。化粧品事業はファンケルのオリジンであるから、それを残すのはキリンHDに了承をもらっていること。ファンケルのBtoCのノウハウも活用されるし、人材の交流も盛んである。リニューアルしたマイルドクレインジングオイルにもキリンHDが研究してきた成分が入っていたりもする。
Q12. 気候変動についての取り組みを詳しく教えてほしい。
A. ファンケルでは2050年のCO2排出ゼロを目指している。4Rを意識し、容器の素材を変えるなどの地道な取り組みも進んでおり、容器回収も予想を上回る回収率になっている。容器回収は全国店舗に広がっているし、アップサイクルなども進めていく予定である。
Q13. 会社を応援しているようなユーザーかつ少数株主を切り捨てるのですか?
A. 子会社化するだけで、決して理念など含めてファンケルがファンケルでなくなるわけではない。今まで同様にお客様は大事にしていきたいと思っている。
Q14. キリンHDの株主優待にファンケルの商品を入れてほしい。
A. どうなるかは分からないが、前向きに検討してもらっているようである。
Q15. 通販データなどはファンケルグループで一括管理しているのではないか?ファンケルとアテニア、ブランドによって会員登録などがあるが、シームレスに活用できないのか?
A. データに関してはファンケルグループ内で一元管理をしている。
ただ、そのブランドを初めて活用するといった時には確認をさせていただいている。
Q16. 紅麹の問題なども製造ラインの問題と聞いている。品質管理などはどうなっているのか?TOBのスケジュールについて知りたい。
A. 製造ラインの品質管理は委託会社含め、厳格な基準を設けている。再点検などのチェック機能もその都度実施されており、原材料の受け入れ段階から商品の出荷まで過程ごとに審査基準をクリアしているので安心してほしい。
TOBについては、7/29まで公開買付期間が設定されており、(その後強制買取etc.あって)TOBが成立すれば9月〜10月には上場廃止が決定することになる。
Q17. 役員で取締役会に100%参加していない人がいるのはどうしてか?
A. 今回はTOBを検討する取締役会は利益相反の観点からキリンHDからの出向者は参加しなかったためである。それを除けば100%である。
Q18. (ファンケルを売りたくはないが)おそらく持ち続けても強制買取になる。
企業として公開買付に応じろという態度に見られるがどうするべきか?
A. 最終的には株主の判断に委ねる。強制買取になった場合はおそらくプレミアム価格の1株2,690円で現金化となると思われる。
Q19. 5年後・10年後もブランドが続く保証はない。しかしもし今回の子会社化がうまくいかなければ再上場してほしい。
A. 今後もブランドがなくならないように収益性の高い企業として頑張っていく。
Q20. 業績もいいのにキリンHDに持っていかれるだけ。本当にTOBが少数株主(ひいてはブランドユーザー)を守ることだと思っているのか?最後に商品の特典などないのか?
A. 株式会社ファンケルは残る。少数株主の期待に関しては再三申し上げているが、やはり株価だろうと思い、今回のプレミアム価格に決定した。特別優待などは難しい。
Q21. ファンケルはファンが個人投資家として株を保有している。TOBに参加することを企業側から推奨しているのはなぜか?
A. 会社から強制しているわけではない。繰り返しになるがファンケルという企業自体は残り、今後もファンケルとしては愛される会社としてあり続けたいと思っている。
ファンケル株主総会に参加した感想
ファンケルの長年のファンが多いことが分かりました
とにかく、一般投資家が参加できる最後の株主総会として、横浜アリーナの席がいっぱいになるほど多くの投資家さんたちが詰めかけていた印象でした。
質疑応答を見ても、ファンケルのユーザーでファンである方が多く、TOBについてはびっくりしたという方が多かったです。
多くの人は頭では分かっているけれど…といった感じでしたでしょうか。
私もこれからASEAN(ベトナムを皮切りにたい・マレーシアと進める予定だそう)に海外展開するにあたって、キリンHDの完全子会社になってシナジー効果が出せるのかな?とか色々思うところはありました。
また、ファンが多い企業というのはそれはそれで経営者としては大変なのかな?という印象もありました。
いずれにせよ以前は販売会や展示会もある株主総会で、それが楽しみでした。
コロナ禍で販売会はなくなってしまったけど展示などを見るのも好きだったのですが…。
今回は展示もなくで、もう前のような株主総会どころか、株主総会自体がなくなってしまうのかと、とても残念な気持ちになりましたね。
経営陣もいってますが、ファンケルという会社自体は続くわけなので、今後の活躍には期待したいところです☺️
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